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雪が溶けたら行こうと思っていた、滝沢村の漆工房・朱楽(あけら)さん。
念願かなってお邪魔したその場所は、柳沢の幹線道から奥に入った林の中だった。 玄関を開けた瞬間から、塗りに使う溶剤の香りがぷうん。 通されたリビングの真ん中には、朱色に塗られた見事なテーブル。 学校の卒業制作で作ったものを、新たに塗り直したそうだ。 出された茶托は黒漆、お盆は木肌を生かした拭き漆。 当然といえば当然だけど、生活のいたるところに「漆」があるんである。 ひとしきりお話をして、別室の工房へ招き入れてもらった。 お〜これが真空ろくろか! わ〜うるし風呂って初めて見た! と、大騒ぎ。 その真ん中に作業場。ちょい高めの定盤と、その横には使い込まれた小さな定盤。 畳ひとつ分もない場所で、塗り師は木地にもくもくと漆を重ねる。 ある意味「結界」だよ、この場所。 作り手以外はうかつに入っちゃあいけん…入ったけど。 私のたってのお願いで、下塗りの作業をしていただいた。 うるし風呂から取り出した椀は、すでに6回ほど塗りと研ぎを経たものとのこと。 まずは塗りの準備。朱をまぜた漆をよく撹拌して、吉野紙で絞って濾す。 「なんか酸っぱい匂いしますね」 「これがよい漆の匂いなんです」。 例えるならヨーグルトかな。ちなみに品質の悪い漆は、ドブみたいな臭いがするそーだ。 しかし、漆を撹拌するする。ヘラも刷毛も丁寧に油分を拭き取る取る。使うヘラも毎回しっかり削り直す。 素材はヒノキ。柔らかい木がいいそうだ。 この塗りに入る前の準備というか、吟味はすごい。ズボラな人間にゃできない。 準備に反して、塗りはすごく手早いのだ。 左手に椀を持って、くるりくるりと円を描くように刷毛をすべらす。塗り重ねるというより、余分な漆を落としていくような感じ。そして口元に溜まった漆はヘラできちんと落として1椀完成。 つやっつやの内側。これを1日乾燥させて、後日外側を塗っていく。 そんで研いで、また塗って。 朱楽さんの漆器は、基本的には砥の粉は使わないし布着せもしない。 漆を何度何度も塗り重ねて、強度としなやかさをともに保つ。 「塗った漆が、翌日どんな風に変化しているのか見る時が楽しい」と朱楽さん。 …「楽しい」、とは言ってなかったかもしれない。 漆の状態、塗ったときの環境。ほかのもろもろの要素も関わりあってその出来映えはまったく違ってくるそうだ。「う〜ん」という時もあるんだろう。 でもそれが、毎日定盤に向かう原動力なんだろうなー。 「果て」のないしごと。 そういうしごとに出会った人は…苦しいかもしれないけど幸せかも。 そんな朱楽さんほか滝沢の岩手山麓工芸会さん、 そしてしずくいしギャラリーの作り手のみなさんなどなどの作品の展示会が5月3日から、滝沢村巣子の建築会社「ゆい工房」さんで開催されま〜す。 …家を建てる予定はない私だが、見に行っていいだろーか。 朱楽さん、貴重なお時間を割いてご説明くださって 本当にありがとうございました!!! (素人ゆえの稚拙な解説は、どうかお許しください…)
by teardropstone
| 2006-05-02 01:41
| いわてうつわめぐり
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